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Gastric adenocarcinoma of fundic gland type (chief cell predominant type): proposal for a new entity of gastric adenocarcinoma (Am J Surg Pathol 2010;34:609-619)

  • これまで主細胞への分化(pepsinogen-I陽性)を示す胃腺癌の報告は1例のみであったが,最近,UeyamaとYaoらが10症例をまとめてAm J Surg Pathol 34:609-619, 2010に発表した.臨床病理学的な特徴は,胃の上部(U領域)の萎縮や腸上皮化生に乏しい胃底腺粘膜に発生し,小さいながらもSMへ浸潤するが,生物学的悪性度が低く(脈管浸襲陰性,低いKi-67標識率,p53陰性),予後良好という点である.胃癌における既存の概念のいずれとも異なるため,gastric adenocarcinoma of fundic gland type (GA-FG) (chief cell predominant type)という名称で新しい胃癌の組織型として提唱している.
  • 彼らの報告ではごく早期の病変のみであり,その発育進展様式の解明や予後などの臨床事項のさらなる検討および胃底腺型胃癌の亜型であるparietal cell carcinomaやmixed-chief and parietal cell typeの症例の集積や解析が今後の課題としている.
  • 「胃と腸」の2010年6月号でGA-FG27症例の追加解析が掲載予定(Personal communication)とのことである.(by 山口 浩)

 

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  • 約20年ぶり改訂された「卵巣腫瘍取扱い規約」について紹介する.改訂が目まぐるしく行われる取扱い規約が少なくないなかで,第1版卵巣腫瘍取扱い規約は異例とも言えるほどに長期にわたってその存在価値を維持してきた.規約と言えば,通常は臨床事項に加えて,病理診断上の必須事項―組織型,分化度,脈管侵襲,断端など―を細かく規定しているのが本来の“役割”であるが,第1版は「組織診断アトラス」としての性格が全面に押し出されてきた.
  • 第2版は「アトラス」としての役割を踏襲すべく,この10~20年間に新たに登場した概念や名称の変遷などをWHO2003に概ね準拠した形で盛り込んでいる.特に境界悪性腫瘍の存在は卵巣腫瘍の特徴を色濃く反映するカテゴリーであり,この点に関して最も気遣いがなされている.微小浸潤の定義を示すと同時に,この概念は基本的には漿液性腫瘍に限定されることが明確に記載されている.また,新たな項目の一つに「切除検体の取扱い」がある.ここでは肉眼所見の重要性や,切り出しのあり方,術中迅速診断時に留意すべきこと,病理報告書の記載事項などについて―主として卵巣腫瘍に対しての経験が少ない初学者の方に配慮して―必要最小限に記載されている.他に類をみない装丁が異彩を放っていた第1版に比べても内容的にもかなり成熟度が増したと思われる第2版である.(by 安田政実)

 

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Tumor-associated macrophages and survival in classic Hodgkin’s lymphoma (NEJM 2010; 362:875-885)

  • ホジキン病の治療は進歩しているものの,約20%の患者は進行して死亡に至る.予後不良因子(国際予後スコア)としてstage,高齢,男性,白血球数増加,リンパ球減少,貧血があげられるが,臨床的に意義のあるバイオマーカーは確立されていない.本研究では凍結切片で得られた遺伝子プロファイリングのデータをもとに166例について免疫組織化学的にコホート解析を行った.
  • 遺伝子発現プロファイリングにより,腫瘍関連マクロファージの遺伝子特性と一次治療失敗に有意な相関が認められた(P=0.02).独立したコホート研究では,病巣内マクロファージ数の増加と無増悪生存期間の短縮(P=0.03),自家造血幹細胞移植後の再発率の上昇(P=0.008)に相関が認められ,疾患特異的生存期間は短くなった(P=0.003).多変量解析でも,国際予後スコアと比較して疾患特異的生存期間と強い相関を示した(P=0.003 対 P=0.03).Stage IおよびIIa期の患者でCD68陽性細胞の増加がみられなければ,標準的治療法で長期疾患特異的生存率100%のサブグループに分類される.(by 桜井孝規)

 

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Nephrogenic systemic fibrosis(J Cutan Pathol 2010;37:204-210)

  • 1997年にはじめて本疾患が認識されたが,最初の報告は2000年にCowperらによってLancet(2000;356:1000-1001)に報告されたScleromyxoedema-like cutaneous diseases in renal-dyalysis patientsであった.
  • 腎不全患者,とくに透析患者において四肢,体幹に皮膚の腫脹,硬化がみられ,進行すると四肢の関節の拘縮をきたす.当初はnephrogenic fibrosing dermopathyと呼ばれたが,肺,腎,心,横隔膜,筋肉,硬膜などの多臓器が侵されることから最近ではnephrogenic systemic fibrosisと呼ばれている(Arch Pathol Lab Med 2009;133:1943-1948).
  • 2006年以降は,MRIで広く用いられているガドリニウム(gadolinium)造影剤が原因あるいは発症のきっかけになっているという報告(J Magn Reson Imaging 2009;30:1236-1239)が多い.
  • 組織学的には,皮膚ではムチンの沈着と厚い膠原線維束の増加,CD34陽性のfibrocyteの増殖が特徴とされるが,上記の臨床所見を加味して診断することが大切である.(by 清水道生)

 

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