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6. 「卵巣腫瘍取扱い規約」について
10.04.15
- 約20年ぶり改訂された「卵巣腫瘍取扱い規約」について紹介する.改訂が目まぐるしく行われる取扱い規約が少なくないなかで,第1版卵巣腫瘍取扱い規約は異例とも言えるほどに長期にわたってその存在価値を維持してきた.規約と言えば,通常は臨床事項に加えて,病理診断上の必須事項―組織型,分化度,脈管侵襲,断端など―を細かく規定しているのが本来の“役割”であるが,第1版は「組織診断アトラス」としての性格が全面に押し出されてきた.
- 第2版は「アトラス」としての役割を踏襲すべく,この10~20年間に新たに登場した概念や名称の変遷などをWHO2003に概ね準拠した形で盛り込んでいる.特に境界悪性腫瘍の存在は卵巣腫瘍の特徴を色濃く反映するカテゴリーであり,この点に関して最も気遣いがなされている.微小浸潤の定義を示すと同時に,この概念は基本的には漿液性腫瘍に限定されることが明確に記載されている.また,新たな項目の一つに「切除検体の取扱い」がある.ここでは肉眼所見の重要性や,切り出しのあり方,術中迅速診断時に留意すべきこと,病理報告書の記載事項などについて―主として卵巣腫瘍に対しての経験が少ない初学者の方に配慮して―必要最小限に記載されている.他に類をみない装丁が異彩を放っていた第1版に比べても内容的にもかなり成熟度が増したと思われる第2版である.(by 安田政実)
Posted by 病理診断科
