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18.細胞質内脂肪滴マーカー
11.10.14
・脂肪滴(lipid droplets)は中性脂肪がリン脂質一重膜によって覆われた細胞小器官である.脂肪の蓄積・分解は脂肪滴膜タンパクであるPATファミリー(perilipin・adipophilin・TIP47)が制御している.
・脂腺癌では,細胞質内の脂肪滴の存在が診断に有用であり,凍結切片でのOil Red O染色やSudan IV染色などが脂肪滴を確認するのに使われてきた.
・近年,ホルマリン固定後パラフィン切片での脂肪滴の抗体として,PATファミリーであるadipophilin・perilipin・TIP47が登場した.中でも,adipophilinとperilipinは脂腺癌での脂肪滴の認識に有用であると報告されている(J Clin Pathol 2006; 59: 1166-1170).
・Adipophilinは,乳腺上皮・副腎皮質・セルトリ細胞・ライディッヒ細胞に認められ,アルコール性肝硬変や脂肪肉腫でも存在が報告されている.Perilipinは,白色脂肪細胞及び褐色脂肪細胞両者での発現が認められている.
・Adipophilinに関しては,脂肪滴の膜陽性パターンが重要とされ,顆粒状の弱陽性パターンは非特異的反応の場合があり,注意を要する.また,黄色腫病変や転移性腎癌でも細胞質内の脂肪滴膜陽性パターンを呈する場合があり,脂腺系腫瘍との鑑別にはあまり有用でないと報告されている(Mod Pathol 2010; 23: 567-573).(by 上原慶一郎)
Posted by 病理診断科
