症例から学ぶ (典型例,稀少例など教育的な症例を中心に提供)


・リンパ節転移のない早期胃癌症例に対してendoscopic mucosal resection (EMR)が施行された場合,その1週間以内にearly stageのpost-EMR follow-upとして生検が行われることがある.そのような場合に一見すると癌と誤認するような病変,すなわちlacy architectural change, clear cell degeneration, signet-ring cell-like changeなどの所見に遭遇することがある(詳細は参考文献を参照のこと).
・Reactive changeとresidual carcinomaの鑑別は時に困難なことがあるが,その場合はEMRされたoriginal carcinomaの像と生検像を比較することが大切である.(by 清水道生)

参考文献:Mitsuhashi T, Lauwers GY, Ban S, et al. Post-gastric endoscopic mucosal resection surveillance biopsies: evaluation of mucosal changes and recognition of potential mimics of residual adenocarcinoma. Am J Surg Pathol 2006;30:650-656.


Posted by 病理診断科


  • 以前の肺大細胞癌は,低分化腺癌のwastebasket的な意味合いが強く,粘液産生性や巨細胞の比率などで分類されてきた.しかし,1999年のWHO分類以降,粘液産生性を有するものは除外され,また,巨細胞を多く有する腫瘍はsarcomatoid carcinomaに分類される.現在はbasaloid carcinoma, lymphoepithelioma-like carcinoma, clear cell carcinoma, large cell carcinoma with rhabdoid phenotypeなどの形態を主体として,小細胞,扁平上皮細胞,腺細胞への分化を欠く未分化な腫瘍とされる.
  • 本例は,40代男性の右肺上葉にみられた7x6 cmの腫瘍で,壊死を伴い膨張性に発育する灰白色調の充実性腫瘍で,気管支腔へ露出していた.組織学的には,大型の細胞や多核巨細胞からなり,胞体にglobuleを有する細胞を交え,そのラブドイド細胞はCK7, CK18, vimentinが陽性で,chromogranin, synaptophysin, CD56, MyoD1, Myoglobinは陰性であった.
  • ラブドイド細胞を有する肺腫瘍は,腺癌,大細胞癌,大細胞神経内分泌癌,肉腫様成分を含む癌や横紋筋肉腫などで,large cell carcinomaとsarcomatoid carcinomaにラブドイド細胞がみられる場合,診断が困難なことがある.いずれにしろ,ラブドイド細胞の存在は予後不良とされ,その存在の記載が重要といえる.(by 永田耕治)

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