症例から学ぶ (典型例,稀少例など教育的な症例を中心に提供)
- 20.レビ−小体関連疾患
- 19.心臓粘液腫
- 18.Renal amyloidosis
- 17.Atypical teratoid/rhabdoid tumor (AT/RT)
- 16.Clear cell adenocarcinoma of the cervix
- 15.Pigmented epithelioid melanocytoma(色素性類上皮黒色腫)
- 14.Tamm-Horsfall protein
- 13.Lobular carcinoma in situ of the breast
- 12.Calciphylaxis
- 11. Serous cystadenoma of the pancreas
・Calciphylaxis(カルシフィラキシス)は,慢性透析患者に生じる多発性皮膚潰瘍を主症状とする疾患で,感染から敗血症を併発することが多く,死亡率は50%を越えると報告されている.もともとは1962年Selyeらにより提唱された難治性皮膚潰瘍で,当初,副甲状腺ホルモンの分泌異常に対する反応性変化が根底にあるという考えから,カルシウム代謝異常によるanaphylaxis様反応と してcalciphylaxisと名付けられた.
・厚生労働省難治性疾患研究班による診断基準は,以下の臨床症状2項目と皮膚病理所見を満たす場合,または臨床症状3項目を満たす場合calciphylaxisと診断される.
・臨床症状:①慢性腎臓病で透析中,または糸球体濾過率15 ml/min以下の症例,②周囲に有痛性紫斑を伴う,2ヶ所以上の皮膚の有痛性難治性潰瘍,③体幹部,上腕,前腕,大腿,下腿,陰茎に発症する,周囲に有痛性紫斑を伴う皮膚の有痛性難治性潰瘍.
・皮膚病理所見:皮膚の壊死,潰瘍形成とともに,皮下脂肪組織ないし真皮の小〜中動脈における中膜,内弾性板側を中心とした石灰化,および浮腫性内膜肥厚による内腔の同心円状狭窄所見を認める.
・なお除外診断のために,ガドリニウム造影剤使用歴調査と抗核抗体,クリオグロブリン定量,抗リン脂質抗体の各測定を行うこととされている. Calciphylaxisに特異的な検査所見はない.(by 桜井孝規)
参考文献:Case Records of the Massachusetts General Hospital Case 31-2001, NEJM 2001;345:1119-1124.
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・膵臓の漿液性囊胞腫瘍(serous cystic neoplasm)は,良性のserous cystadenomaと悪性のserous cystadenocarcinomaに分けられるが,頻度としては前者がほとんどを占める.
・serous cystadenomaは,microcystic adenoma, glycogen-rich cystadenoma,serous microcystic adenomaなどとも呼称されるが,microcystic adenomaとoligocystic adenomaの2つのタイプに分けられる.前者が最もよくみられるタイプで,後者の頻度はまれである.
・肉眼所見として,割面で海綿状ないし蜂巣状を呈し,中心部に線維性瘢痕を認める.
・臨床的には中年女性に多く(平均年齢65歳,男女比3:7),膵体尾部に好発する.
・組織学的には,囊胞壁を覆う上皮は一層の立方状ないしは扁平な細胞からなり,淡明な細胞質にはグリコーゲンが豊富で,PAS反応が陽性を示し,ジアスターゼ消化により陰性となる.免疫組織化学ではAE1/AE3, CAM5.2, CK7, CK8, CK18, CK19が陽性で,α-inhibinやMUC6も多くの症例で陽性を示す.
(by 清水道生)
参考文献:病理医・臨床医のための病理診断アトラス~“彩の国さいたま”病理診断セミナーからのメッセージ~ Vol.1(ベクトル・コア,2009年)P92
Posted by 病理診断科
