症例から学ぶ (典型例,稀少例など教育的な症例を中心に提供)


・アミロイドーシス(amyloidosis)とは,線維構造を有する蛋白の一種であるアミロイドが,全身諸臓器に沈着することによって生じる疾患である.
・アミロイドはHE染色で均質な淡紅色,PAS染色で淡紫紅色に染色され,Masson染色にて淡い青色を呈する.
・腎アミロイドーシスでは,病変部はコンゴーレッド染色で橙赤色に染まり,同部を偏光顕微鏡で観察すると,緑色の複屈折を示すことが知られている.
・アミロイド沈着は,メザンギウム領域から始まり糸球体全体に広がる場合と,糸球体係蹄壁も含め糸球体全体から広がる場合がみられる.
・本例のように糸球体係蹄壁に沈着した場合,PAM染色で,糸球体係蹄壁から針状に突出するスピキュラを認めることも特徴として知られている.(堤 直之)


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・AT/RTは高悪性度の脳腫瘍(WHO grade IV)で,多彩な形質発現を示す起源不明の腫瘍で,ほとんどが2歳以下に発生し,成人症例は非常に稀である(本例は1歳女児).
・組織学的には,大型で核小体が明瞭な核と豊富な細胞質を有する腫瘍細胞のシート状の増殖がみられる.偏在性の核と細胞質内封入体を有するrhabdoid cell(inset参照)も多数観察される(Fig. 1).
・Rhabdoid featureを示す領域のみで構成されるAT/RTはむしろ少なく,多彩な組織像を呈しうる.本症例もFig. 2に示すように,コード状の増殖を示すchordoma様の部位(左)や,spindle cell sarcoma様の外観を呈する部位(右)を伴っていた.
・免疫組織化学的には,ほぼ全例でvimentin,EMA,αSMAが陽性となり,しばしばGFAP,NFP,cytokeratinが陽性となるが,desminは陰性である.また,INI1蛋白が陰性であることが重要な特徴である.
・また,medulloblastoma様の領域を伴うことも多く,両者の鑑別が問題となる症例も存在する.AT/RTとmedulloblastomaは好発年齢・部位も類似しているが,AT/RTは大脳半球にも好発し,INI1蛋白発現がないことが鑑別のポイントである.
・AT/RTの予後は極めて不良であり,多くの症例で急速な局所再発や脳脊髄液を介した播種を来たす.(by 山口 浩)


Posted by 病理診断科

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