症例から学ぶ (典型例,稀少例など教育的な症例を中心に提供)

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図.虫垂



図.卵巣

腫瘍細胞は虫垂・卵巣共にCK7陰性,CK20陽性,CDX-2陽性.


・症例:50代,女性.人間ドックで腫瘍マーカー上昇及び卵巣腫大を指摘され受診した.左卵巣は10cm大に腫大し,超音波では転移性腫瘍を疑う所見であったが,全身精査にて卵巣以外に明らかな腫瘍性病変を認めなかったため,原発性卵巣癌として開腹術が行われた.
・左卵巣腫瘍の術中迅速診断では線維増生の中に,粘液産生に富む印環細胞型の腺癌を認め,転移性卵巣癌の所見であった.また,大網や腸間膜に播種を認めた.虫垂に硬結がみられたため,虫垂切除が追加され,後に原発性虫垂癌,転移性卵巣癌と診断された.
・虫垂由来の卵巣腫瘍は多くの場合,腹膜偽粘液腫として見つかる.虫垂病変は腺腫相当のことが多いが本症例のように癌を合併することもある.虫垂癌は虫垂切除例の0.1~1.35%と言われ,全消化管悪性腫瘍の0.5%と報告されている.
・組織型が印環細胞癌の場合は進行期で発見されることが多いため,患者のほとんどは診断から1~2年以内に死亡する.(by 鈴木裕之,安田政実)
参考文献:Cecilia M,Fenoglio-Preiser:Gastrointestinal Pathology(third edition), Lippincott Williams & Wilkins, 2007,532-535.


Posted by 管理人