症例から学ぶ (典型例,稀少例など教育的な症例を中心に提供)


・症例は84歳女性.手のふるえで発症,その後,上肢筋固縮や頚部可動域制限が出現.発症6年で呼吸状態悪化により死亡.経過中,非進行性軽度認知機能障害傾向を認めたが,幻視無し.病理学的にはパーキンソン病(PD)の範疇にあるが,大脳に広範・無数のLBと定型斑を伴う点(Fig 1),レビ−ニューライト(LN)や経内嗅領皮質(TER)の海綿状変化に乏しい点,が特徴的であった.
・LB (Fig 2)はPDの病理学的特徴として知られるが,その他、アルツハイマーに次ぐ認知症であるLB型認知症(DLB)もLB関連である.DLBでは,その臨床・病理学的なcriteria(Neurol. 2005;65:1863-1872)が提唱されているが、病理では“LB”に加え“LN”が加味される.しかし,広範・無数にLBは出現するが,LNのない例に遭遇することがある.そのような例では認知症や幻視,TERの海綿状変化が明らかでないものもある.
・本例に関しては臨床像に加え,病理学的に”脳幹PD病変”,“LBの大脳広範・多数な分布”を見るものの,LNや海綿状変化はなく,PDとした.
・DLB criteriaが提唱されてはいるが、現段階では症例によりしばしば立場により見解が異なる感がある.今後,レビ−小体疾患の臨床・病理学的診断について,見解を統一すべくcriteriaが改訂されてゆくことが望まれる.By 本間 琢


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・心臓原発性粘液腫瘍の中で最も発生頻度が高く,大部分(75%)は左心房に,一部(18%)は右心房に発生する.
・孤発性の非家族性粘液腫(95%を占める)と家族性粘液腫(いわゆる粘液腫症候群で5%を占める)の2つのsubtypeがみられる.家族性粘液腫では心臓外の皮膚などにも粘液腫を合併することがある.
・以前は壁在血栓に関連する非腫瘍性病変の可能性が示唆されていたが,現在は腫瘍性病変と考えられている.
・臨床症状としては① 塞栓性症状, ②閉塞性症状,③全身症状の大きく3つの症状に分けられる.全身症状は腫瘍によるIL-6上昇に伴う症状で,発熱,関節痛,筋肉痛,体重減少,貧血,血小板減少などが挙げられる.
・肉眼的には有茎性の粘液状,ゼラチン様の腫瘤である.
・組織学的には豊富な粘液性間質,小血管増生を背景に,異型性のない紡錘形,星状あるいは多角形の間葉系細胞の増殖が認められる.
・粘液腫細胞はしばしば血管の周囲に一層ないしは数層のring structureを形成する.
・鑑別診断としては,器質化血栓やpapillary fibroelastomaがあげられる.(by 割栢健史)
参考文献:病理医・臨床医のための病理診断アトラス~“彩の国さいたま”病理診断セミナーからのメッセージ~ Vol.1(ベクトル・コア,2009年)P175


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